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朝霧 / Diary 002

朝霧。

annon の特徴ともいえる粉末茶の鮮やかな緑色は、朝霧によって完成されるといっても過言ではない。

 

 

寒暖差が激しい春のはじまり。山あいの清流から立ち昇り、しっとりとあたりを包み込む。朝霧は茶園に潤いをもたらすと同時に薄明かりの空を優しく遮ってくれる。茶の葉は僅かに降り注ぐ日光を効率よく浴びるため、葉緑素を増やし始める。すると、日を追うごとに葉っぱの色が豊かな緑色に変わっていくのだ。

 

 

朝霧の恩恵は先述した緑色だけではない。僅かな日光で育つ一番茶は葉肉が薄くなる。そのぷりっとした柔らかい手触りがなんとも気持ちいい。そして柔らかい葉だからこそ一番茶葉まるごと粉砕製法も活きてくる。粉砕するとなめらかで喉越しのよい粉末茶ができあがるからだ。

 

 

昨年の5月、annon のブランディングを手がけていただいたデザイナーの上杉滝さんと写真家の吉田周平さんとともに一番茶の収穫がはじまったばかりの茶園に足を運び、摘採中の農家さんや荒茶工場を撮影していただいた。

そのときに上杉さんから「地域や味わいの象徴になるので、いつか朝霧の撮影もしたいですね」と提案していただいたことを覚えている。

 

朝霧は天候や気温による自然の産物であるため撮影は難しいかもしれない。けれど、annon の魅力を語るうえで不可欠な要素だから、いつか吉田さんに撮影していただきたいと思いを馳せている。

 

 

吉田さんのフィルターをとおして写し出される「朝霧に包まれた茶園」はきっと幻想的で美しい風景なのだろう。

 

 

※写真は鮮やかな緑色が特徴の収穫したばかりの一番茶葉です。

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